空間デザイナー必見。
アイディアをシェアする間借りオフィス。
東京都千代田区九段南
オーナーは、建築士の藤井亮介(ふじい・りょうすけ)さん。設計事務所としては店舗や住宅の空間デザインを、また過去にはインスタレーション作品を手掛け(id+fr名義)、建築設計の枠を超えて幅広く活動。
「予想外のものをつくる」ことをクリエイションの中で大切にしているという藤井さん。
ミラーボール、既製のアルミサッシ、スケートパークのランプなど、だれもが一度はみたことのあるものを使って、みたことのないものをつくるなど、はっとさせられる空間づくりを数多く手掛けられています。(記事ページ下部に作品概要あり)
今回ご紹介するのは、藤井さんの自社オフィス。コワーキングスペースのように、空間やアイディアをシェアしながら、同じ空間で一緒に働く”間借りオフィスメンバー”を募集します。
こちらの物件の一番の特徴は、なんといっても、壁一面に設けられたおおきな本棚。
ぱっとみてかっこいいのはもちろんのこと、なんと、なんとなんと!
こちらの本棚、使わなくなったIKEAのスツール(artek Stool 60のジェネリック品)を再利用してできているのです!
「建築事務所は、カタログと本がたまりがち。棚をどう作るかがポイントになると考えた」と藤井さん。その検討の中で、昔のオフィスで使っていたスツールを棚として使えないかというアイディアを思いついたそうです。
スルールのL字型の脚がブックエンドがたくさん並んでいるようにも見えてシンプルにかわいいのと、脚だけでなく丸い座面すらも本棚を支える構造に活用したりと、まさに「みたことのあるもので、みたことのないものをつくる」藤井さんらしいアイディア。既製品ハックのレベルの高さに脱帽です。本だけでなく、大きなカタログや、マテリアルのサンプルを入れる箱など、本以外のものもキレイに収まるように、脚のピッチに変化をつけたりと、機能的にも考えつくされてます。
ちなみに通りに面して全面開口なので、室内は照明をつけなくても大丈夫なくらい明るい空間。窓の外はぐるりとバルコニーがあるので、キッチンでコーヒーを入れてバルコニーでちょっとひと休みもできそう。
「捨てない」というのも、もうひとつのテーマだそう。
IKEAのスツールの脚を使って、また別のスツールをつくったり、テーブルは木材の廃材から生まれたパーティクルボードという素材をつかったり、床はタイル屋さんから廃棄予定のレンガタイルをもらい、床に敷いただけ。環境にも優しいのに、かっこよくて、機能的で、経済的。「素敵」以外の言葉が思いつきません。
もともと、マンションのワンルームを事務所としていた藤井さん。ちゃんとしたオフィスで仕事をしたいが、一人で空間を専有するのは勿体ない。シェアできる場所をつくったほうが合理的と考え、誰かとシェアする前提で今回のオフィスを計画したそうです。
コロナの影響で在宅ワークの人が増えた一方で、自宅だとなかなか仕事がはかどらない人も多いのが実情。
特に、建築関係のお仕事の場合、カタログや建材のサンプルが手元に必要だけれども、家におけるサンプルの量にも限りがある。
「できれば建築関係の人に来てもらい、カタログや建材を共有し、シェア型の”マテリアルセンター”っぽく使っていけるとよさそう」と藤井さん。 入居したメンバーがそれぞれカタログやサンプルを持ち寄って、デザインのアイディアもシェアできると良さそうですね。
週1日だけ借りる、平日だけ借りるなど、フレキシブルな借り方ができるのも嬉しいポイント。
ちなみにこちらのスペースは「hashnote(ハッシュノート)」という施設名がついており、Twitterのハッシュタグ(#)のような”一時的なひとまとまり”という意味がこめられているそうです。
かっこよくて、使いやすく、本やカタログ、デザインのアイディアもシェアできるオフィス。
藤井さんのクリエイティブな考えにあやかりたい人も、建築系の仕事じゃないけどコラボしたいという方にもおすすめです。
藤井さんの作品例
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photo: Eichi Tano
INFORMATION
間借りオフィス | 1month |
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40,000yen |
本スペースの一部をワークスペースとして一時利用できる月額制プランです。
価格は税込みです。
最低利用期間:3ヶ月
利用条件に同意後、サブスクリプションでのお支払いが必要になります。