マテリアルフェチに捧ぐ。
新宿のレトロビルに潜むマルチスタジオ
東京都新宿区西新宿8

オーナーは「チンドン一級建築士事務所」代表、建築家の信田 匡康さん。
海外の大学で建築学を学んだ後に、設計アトリエ、外資系設計事務所を経て2024年に独立。
現在は夫婦の建築家ユニットとしてオフィスや商業空間の設計などを主に手掛けているという。
今回ご紹介するのは、チンドンさんの自社オフィス兼マルチスペース。
西新宿駅から徒歩6分、新宿駅から徒歩12分ほどの場所にある、ビンテージ感のあるビルの2階。
では早速みて行きましょう。
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内部空間について、フロア図を用いてまずご説明します。

もともと集合住宅の一室だった区画を解体し、現状はシンプルなワンルーム空間ですが、
大机のある窓際のエリアと、パントリーのある入口側のエリアの2つのエリアが緩やかにつながった構成です。



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何と言っても目に付くのが謎のビニールカーテン。図面の赤い線の位置にカーテンがぐるりと回っています。



コンクリートのラフな素材感に、人工的なビニールの素材感が絶妙にマッチ。


実はこのカーテン、宅配便の梱包材(いわゆるプチプチ)を巨大化したような作りになっていて、
ビニールの中に空気を封じ込めることで、断熱材の役割を果たしているんだとか。
あと、春と秋はカーテンを外した状態での運用になるそうですのでお見知りおきを。
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新宿エリア初のコンクリート構造のビルと言われているこちらの建物。
築50年以上ということもあり、現代のコンクリート建造物よりもとても荒い仕上げになっています。



「その荒々しい素地感をそのまま表しつつも、快適な室内環境を作れないかということで、
断熱カーテンのアイデアを思いつきました」と信田さん。
カーテンの他にも、素材感に対する探求、こだわりが随所に散りばめられています。


室内に配置されるテーブルとカウンターは同じようなデザインになっていますが、
こちらは木の粉を固めたMDFという素材でできており、コンクリートのような硬い印象もありながら
角がすべて丸められており、上品な仕上がりに。
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パントリーと一体化した壁面収納も実はMDFでできているそうですが、
こちらは逆にグリッドが際立ったデザインとなっており、シャープな印象。
そのシャープさがコンクリートのラフさといい感じの対比になっていてこれまたグッドセンス。

ちなみにこちらの壁面は隠し扉のようなつくりになっており、トイレや事務所が奥に隠れております。
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その他にも、かつて住居だった頃のタイルを一部残したり、
赤い分電盤をグロッシーにペイントしてあえて際立たせたりと、
ある種言語化が難しいが、なんかかっこいいから許せる、といった具合で、
オーナーさんのフェチズム全開な、アーティーな空間です。


ちなみに写真にあるワークチェアは、事務所に格納して、テーブルだけの配置にすることも可能なんだとか。
冷蔵庫もテーブル下に隠れていたりと、実はかなりいろんな用途に対応できる仕様になっているのと、
テーブルもシンプルで大きいので、展示会やワークショップなんかにも良さそうな予感です。
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「この場所をどのように活用していくかは、具体にはまだ決めてませんが、いろんな人が集う場所にしていきたいと思ってます」と信田さん。
実はこちらの区画は、新潟出身の信田さんの親御さんの代から、親戚が東京に上京した際の拠点として、シェアハウス的に使っていた場所だったんだそうです。
その後、家業の事務所として使ったり、その後また親族の家として使ったりと、時代時代でいろんな人がいろんな使い方をしてきた場所なんだとか。
そして信田さんがバトンを受け取り、今のこの姿に。
これからもいろんな人が集う場になると思うとなんだかエモいですね。
いかがでしたでしょうか。
素材感のバリエーションを活かして、プロダクトの商品撮影に。
キッチンとテーブルを活かして、予約制の展示会やイベントに。
この空間の活かし方はあなた次第。
ビビっときた方はぜひお問い合わせを。

INFORMATION
スチール撮影 | 1hour |
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11,000 |
最低利用時間:3時間
動画撮影 | 1hour |
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13,200 yen |
最低利用時間:3時間
展示会・イベント利用 | 1 day |
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66,000 yen |
イベントなど、長時間の利用や連日利用に最適なプランです。
・利用時間:9:00〜20:00
・上記時間外は時間外料金が発生いたします(11,000 yen / h)