オーナーは、YONG architecture studio 代表の永田賢一郎さん。
建築設計事務所としての活動を軸に横浜と長野の２拠点で活動。
横浜では、建築設計の領域を超えて、野毛エリアを中心としたエリア活性化の活動も展開、その一環としてシェアキッチン兼オフィス「藤棚デパートメント」を運営。長野の立科（たてしな）では、地域おこし協力隊として、空き家の紹介や利活用の相談窓口である「町かどオフィス」を運営。クライアントワークとしての建築設計のみならず、自らで場所をつくり、その場所で出会った人々のつながりを通じて更に新しいプロジェクトを生み出していく”プロジェクトメイカー”。

今回ご紹介するのは、そんな永田さんの横浜の生活拠点兼事務所スペース「南太田ブランチ」。元々横浜の野毛エリアに着目し、エリアの活性化に注力してきたという永田さん。

こちらのスペースも、自分たちの家やオフィスとしてだけでなく、周辺地域の人に気軽につかってもらえる場所にしていきたいという想いから、当初より多目的スペースとして家を開き、貸し出していたのだとか。今回は、撮影やワークショップなど、多用途に利用できるプランをご案内します。

京急線南太田駅から徒歩6分のところにあるこちらの建物、１階と２階が電気工事関係の会社が入居しており、その会社のオーナー住居であった３階と４階のスペースを改修して現在の姿になっています。

元々の内装を一部は解体し、一部は残しつつ、新しく手を加えているとのことですが、どこが古くてどこが新しいのか一見するとよくわからないくらいほど、新旧の内装が絶妙に融合。むしろ古い、新しいみたいな考え方が古い考えなのかもしれないと、考えさせられるレベルの仕上がりです。

元々のオーナーさんが残したインテリアに、長野から持ってきたという古家具がとてもマッチ。楽しみながらデザインされている感じがひしひしと伝わってきます。

「光」もこちらのスペースの大きなテーマ。

入り口をはいると細長い廊下があるのですが、その廊下まで外の光を届けるために曲面の壁が新設されており、壁に反射した柔らかい光が廊下まで入ってくるのが印象的です。

そして廊下の先に部屋に設けられたカーテンも、光の反射具合で違った見え方になるのが面白い。

部屋数が多いのも大きな特徴。
今回レンタル可能なのは、個室が４部屋、キッチンも含めると５つの空間を利用いただけます。それぞれの部屋ごとにインテリアのテイストも違っているので、撮影利用の際には、同じ施設内でいろんなスタイルの撮影ができて、使い勝手が良さそうです。

もしくは、5、6人のワークショップを部屋ごとに同時開催して、イベント終わりにキッチンで仕込んだ料理で打ち上げ、みたいな使い方も楽しいかもしれません。

そしてなんと屋上もあります。
ちょっとレトロ＆グランジ感がある空間ですが、屋外で撮影できる場所って意外と多くなく、特に雑誌の撮影なんかに人気なんだとか。エリア的に都内からだと距離はありますが、いろんな内装スタイルの撮影ができて、屋外でも撮影可能、となるとあながち都内で複数のスタジオ借りるよりもいろんな意味でコスパがいいかもしれません。

その後も、元ストリップ劇場を改修してシェアオフィス兼スタジオとして運営したり、その後は冒頭で説明した藤棚デパートメントが生まれるきっかけにもなった、「藤棚アパートメント」というシェアハウスの設計を手掛け、住人として住みながら、共用スペースでワークショップを勉強会などを開催し、町の人とのつながりを生み出していったという。

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photo: Eichi Tano