旅先で集めたアイデアの欠片たち。
洗練されたマテリアルがきらめく空間
東京都港区赤坂

オーナーは、ジュエリーブランド「SIRI SIR(シリシリ)の代表・デザイナーの岡本菜穂(おかもと・なほ)さん。 岡本さんは桑沢デザイン研究所で空間デザインを学んだのちに、家具メーカーに就職。並行して2006年に「SIRI SIRI」を立ち上げ、デザイナーとして活動しています。父親が建築家・抽象画家だった影響から、自身も将来は建築家かデザイナーになることをぼんやりと描いていたのだそう。
大学院に入るために渡欧したことをきっかけに、現在はスイスに移住。ホームセンターなどを巡ったり、日常の中にあるさまざまな素材を眺めたりするのが趣味。
今回ご紹介するのは、「SIRI SIRI」のブランド設立13年目にあたる2019年にオープンした初の路面店「SIRI SIRI SHOP」です。 お店があるのは、赤坂駅から徒歩5分ほどの場所。レトロなタイル貼りの外装が印象的な建物の102号室です。

もともとは、自身が金属アレルギーだったことから、個人のアートプロジェクトとして自分用のジュエリーをつくりはじめたという岡本さん。それが大手アパレル企業のプレスの方の目に止まったことがきっかけで、ジュエリーブランド「SIRI SIRI」誕生に至りました。
「SIRI SIRI」が扱うのは、身の回りにあるさまざまなマテリアルと、伝統的な職人技術を組み合わせたジュエリーたち。

インテリアや建築で学んできた素材の知識と経験を活かし、日本の工芸技術や伝統的な美意識をベースに独自のスタイルを展開。職人たちの洗練された意匠・技術に新たな解釈を与えることで、モダンで新しい作品を生み出しています。

お店の扉を開けると、白と黒、そして木が交わる洗練された空間が。静謐さを湛えた佇まいに、思わずハッとさせられます。
店内はジュエリーをはじめとする商品が並べられたエリアと、お会計をするエリア、そしてスタッフの方たちが作業をするオフィスエリアに分かれています。
店舗の設計を担ったのは、建築家の工藤桃子さん(MMA Inc.)。子どもの頃にスイスで暮らしていたことから、岡本さんのスイス留学の際に共通の友人を介して知り合ったというふたり。
ともに何度かヨーロッパを旅行するなかでインスピレーションを受けた要素が、店舗内に散りばめられています。
たとえば、内装の壁の素材や塗り方。左官仕上げのような少しムラ感のある壁は、ミラノで見た古い回廊の壁がアイデアソースなんだとか。
岡本さんが「こういうのがいいなあ」と呟くと、工藤さんが「これは……」と手法を教えてくれたのだそう。実際に工藤さんがそれを採用し、近い手法で塗られています。
薄いグレーの色味も、工藤さんからの提案。壁材にはガラスの破片が入っていて、ジュエリーショップにふさわしい、華やかさときらめきも。


スタッフの皆さんが「木のところ」と呼んでいるお会計エリアは、ぬくもりが溢れる優しい空間。あえて天井を低くしているので、あたたかい巣に包まれたような、不思議な感覚を覚えます。
こちらも、ヨーロッパの住宅の中にある窓辺の縁側のような空間からインスピレーションを受けているのだそう。


商品が並ぶエリアの黒い床は、コンクリートの上に松煙墨と雲母を混ぜたエポキシを流し込んだもの。雲母がほのかにキラキラと輝きます。
ガラス素材のジュエリーがメインのため、もし床に落ちてしまっても壊れないよう、岡本さんがクッション性のある素材をリクエスト。工藤さんが素材テストをして、このような形になりました。
コンクリートの隆起部分にレジンの樹脂がたまって、池のように見えるところが、岡本さんのお気に入りなんだそう。とっぷりと深い黒は作品を引き立て、より華やかに見せてくれます。

今回、メインで貸し出すのはこの窓際のスペース。ビルの中二階に位置していることから、窓辺は道行く人たちの視線が止まりやすいのもグッドポイント。
「SIRI SIRI」では少し前から、この窓際部分やショップ全体を使って、主に繋がりのある作家さんの展示会を開催してきました。その中でさまざまな出会いがあり、とても良い機会になったのだそう。


これから本格的に場をひらいていくにあたり、常連のお客さんや繋がりのある作家さんだけでなく、さらに広くいろんな方にこの空間に訪れてほしいと岡本さんは言います。

相談次第では、ショップ全体の貸出も可能とのこと。クラフト系の作家さんの展示やイベントはもちろんですが、ぜひこの美しい空間を生かしてほしいところ。ファッション誌やCMなどの各種撮影にももってこいだと思います。
一つひとつデザインが異なる特徴的な什器は可動式なので、端に寄せて音楽イベントやワークショップなどもできます。(※音楽イベントの場合は、管理会社さんに確認の上)
以前、岡本さんの友人のプロチェリストの方の演奏会を、1回15人程度の小規模で行なったところ、とても好評だったのだそう。さらにチェリストの方曰く、「ドイツの教会に似た空間の響きだった」とのこと(!)。
洗練された空間で、こぢんまりとした演奏会をしたいという方にもぜひ使ってみていただきたいです。
また、アートの展示や食のイベント、素材の探求をテーマにした建築家の展覧会など、岡本さん自身もやってみたいことがあるとのことなので、もし近しい関心がある方は企画を持ち込んでみても良いかもしれません。
ギャラリーなどの展示会は月に1回、1会期につき1週間〜10日くらい。展示会がないときは、スポットの食のイベントやワークショップができたら理想とのこと。
ゆくゆくは、ジュエリーショップの枠組みを超え、“デザインのハブ”のような場所になっていくであろう「SIRI SIRI」。その過程にある今だからこそ、この場所を使って企画をする価値があると思います。ピンときた方はぜひお問い合わせを。

INFORMATION
ポップアップ | 1-5 day |
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77,000 yen - |
展示会、ポップアップ利用に最適なプランです。
最低利用料金:77,000円
・上記金額は、平日+土日祝日を含む5日間ご利用頂いた場合の料金です。
・利用期間はご相談可能ですので、都度お問い合わせください。
撮影 | 1 day |
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撮影利用の場合は都度お問い合わせください